ビタミンDは、骨の発達に欠かせない栄養素です。骨以外にも免疫などにも関わり、健康な成長や発育に重要です。厚生労働省は、母乳栄養の赤ちゃんに1日5μg(マイクログラム)の摂取を推奨しています。母乳には多くのメリットがあり継続すべきですが、ビタミンDは少ないからです。ビタミンDが不足すると、カルシウムの吸収が悪くなり、骨が柔らかくなる病気になるリスクがあります。ビタミンDは薬局などで市販のサプリメント(商品名 ベビーD)として購入することができます。
サプリメント以外では、日光を浴びることが重要です。紫外線により、皮膚でビタミンDが作られます。日光浴の、おおよその目安としては、春や夏は、午前は10時までに、午後は15時以降の涼しい時間に5-15分程度、直射日光を避けて日陰などで浴びます。秋や冬は、午前10時から午後2時までの時間帯に15-30分程度です。
また、離乳食は開始時期を遅らせずに、ビタミンDの多い魚類(鮭15gで5μg)や卵黄(一個で2.5μg)などや、カルシウムを多く摂取することが大切です。
ビタミンD欠乏の赤ちゃんが増えている背景には、日本人のビタミンD摂取量自体が少ないことや、極端な日焼け予防、ビタミンD欠乏の妊婦さんが多いことなどがあります。全員が小児期からの生活(外遊び、過度に日焼け止めを使用しないなど)や食事習慣(ビタミンDとカルシウム)に留意することで、元気な赤ちゃんを育む事につながればと思います。