豆知識

2025.06.16 熱中症について

運動部の中学生や高校生の生徒が、試合や練習後に気分不良、吐き気、頭痛、倦怠感などで受診されるケースが増えてきました。熱中症の初期だと思われます。

運動することで、体の中に作られた多くの熱が、体温調節機能の乱れや気象状況(気温や湿度が高くなるなど)の影響で、発散できなくなることで発症します。

運動時には、水分のみならず、塩分の補給が大切です。経口補水液をこまめに飲むことをおすすめします。経口補水液は市販もされていますが、家庭でも作れますので以下を参考にしてください。

 砂糖40g(上白糖大さじ4.5杯)・食塩3g(小さじ0.5杯)・湯冷まし1L、よくかき混ぜてください。

 飲みやすい温度にします。

 果汁(レモンなど)を少し加えてもよいでしょう。

運動中の水分摂取量は9-12才で20分ごとに100-250ml、中高生では1時間毎に1-1.5Lが推奨されています。しかし、重要なことは、こまめに水分摂取を行い、水分を自由に摂取できる環境があることと、日本救急医学会のガイドラインに示されています。

2025.04.24 最近増加している、乳児期のビタミンD欠乏について

ビタミンDは、骨の発達に欠かせない栄養素です。骨以外にも免疫などにも関わり、健康な成長や発育に重要です。厚生労働省は、母乳栄養の赤ちゃんに1日5μg(マイクログラム)の摂取を推奨しています。母乳には多くのメリットがあり継続すべきですが、ビタミンDは少ないからです。ビタミンDが不足すると、カルシウムの吸収が悪くなり、骨が柔らかくなる病気になるリスクがあります。ビタミンDは薬局などで市販のサプリメント(商品名 ベビーD)として購入することができます。

サプリメント以外では、日光を浴びることが重要です。紫外線により、皮膚でビタミンDが作られます。日光浴の、おおよその目安としては、春や夏は、午前は10時までに、午後は15時以降の涼しい時間に5-15分程度、直射日光を避けて日陰などで浴びます。秋や冬は、午前10時から午後2時までの時間帯に15-30分程度です。

また、離乳食は開始時期を遅らせずに、ビタミンDの多い魚類(鮭15gで5μg)や卵黄(一個で2.5μg)などや、カルシウムを多く摂取することが大切です。

ビタミンD欠乏の赤ちゃんが増えている背景には、日本人のビタミンD摂取量自体が少ないことや、極端な日焼け予防、ビタミンD欠乏の妊婦さんが多いことなどがあります。全員が小児期からの生活(外遊び、過度に日焼け止めを使用しないなど)や食事習慣(ビタミンDとカルシウム)に留意することで、元気な赤ちゃんを育む事につながればと思います。