当院の考え方

風邪に処方される薬について、当院の考え方 (1)

【熱冷まし(カロナール)について】

“何度になったら、熱冷ましを使うのですか?”

“38.5度以上です。”

よくある会話ですが、本当に熱は冷ました方がよいのでしょうか?

発熱により、免疫機能が高まること、病原体が増えにくくなることなどのメリットがわかっています。つまり、風邪の熱は体を守るために出していると考えます。体温を何度に上げれば、うまくなおせるのかを体が判断し、その温度(セットポイント)まで、うまく熱が上がれば汗が出て、すっきり治ることが期待できます。体表面の熱が高くても、汗をかいていないかたもしばしば見られます。体の中の温度がセットポイントまで上がっていないためでしょう。このような、汗のない発熱の初期には、体の中を温めて発汗を促す、麻黄湯や葛根湯などを処方することもあります。

では、どんなときに解熱剤を使用するのでしょうか?発熱に伴う痛み(頭痛や身体痛、咽頭痛など)が強い時、長引いて寝られない時や水分の摂取ができないなど弱っている時には解熱剤を使用します。熱の始まりで、顔つきや眼力がしっかりし、呼吸の状態も良好で、水分の摂取などの可能な状態、つまり熱に負けていない状態では使用を見合わせて良いと説明しています。